新たなる力

浩二「オラァっ!」

鳳凰「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・・



鳳凰は消えた。



闇浩二「くそっ・・・ なら僕がお前を直接やる!」

闇浩二「烈風拳!」


闇浩二の腕に緑色のオーラが纏われる。



「速い、強い、凄まじい」の三拍子が完璧にそろった拳が浩二に飛ぶ。



浩二「くっ・・・!」

闇浩二「これで君を切り刻む! 当たれぇえええっ!」



浩二「よしっ・・・・・・相手してやるっ・・・!」

浩二は、闇浩二の拳をかわしながら 隙を見て攻撃しようとした。

だが・・・



相手も自分の攻撃をかわすことを最大の目的にしているようで、攻撃は当たらなかった。

しかも、守備の合間、合間にカウンターを仕掛けてくる。




浩二(相手も同じ動きをしてきやがる・・・)



浩二は考えた

浩二(なら・・・こっちから誘ってやる!!!)

そして浩二は相手の動きを伺う事を止め・・・・・・・・・。





一気に拳の弾幕を浴びせかけた!


しかし・・・



相手も同じ技を出してきたのだ



闇浩二「くっ・・・」

闇浩二は浩二の拳を何発か「軽く」喰らった。



だが、闇浩二が拳を喰らっているということは当然浩二も・・・。



浩二「ぐあああぁあぁぁっ・・・っ」




浩二の顔には殴られた跡とは思えない・・・・・・まるで・・・・・・。


刃物で切り刻まれたような傷跡が残っていた。

闇浩二「この拳は 風属性の刃を付けて強化したものだよw   
    ・・・いわばメリケンサックの刃物版ww 軽く当たってこの程度という事は・・・ww」

浩二「・・・・・・!」



・・・どうやら・・・・・・相手の攻撃をちょっとでも喰らっちゃマズい・・・!



・・・・・・それにしても、奴は僕と同じような攻撃を仕掛けてきた・・・。



って事は・・・僕と大して思考回路は違わないんじゃないのかな・・・?

なら・・・・・・・・・・・!!

相手の動きの逆を読む・・・僕は奴より一年分頭がいい・・。






・・・殴りかかってきた・・・。

そして浩二は冷静に拳をかわし続けた。



そして・・・・・・






今だ!!





浩二は両足をバネのようにして縮め・・・・・・、

そしてすぐにその足を・・・、





開放して一気に飛び掛った!




闇浩二「・・・・・・!」

闇浩二は冷ややかな目で浩二を見て、攻撃の予備動作をした。



浩二(・・・もし俺があいつなら・・・・・・・・・・狙うのは・・・右目・・・!)

浩二(なら・・・・・・・)




浩二は咄嗟にかがんで、闇浩二の右腕を・・・、



獲物である浩二を仕留め損ねて、目の前にぶら下がっている右腕を・・・掴み、



自分の体の重心を移動させて・・・








右腕を捩じりながら、ガラ空きになった闇浩二の鳩尾に全力の拳をぶつけた。


闇浩二「ガガガカアアアアアッ・・・」



闇浩二は両目をカッと見開いたかと思うと、膝をついて地面に崩れ落ちた。





そして浩二は躊躇う事無く・・・とどめの一撃を・・・・・・!








そして闇浩二は・・・痙攣し、消えていく体を気にする事無く浩二を見てこう言い吐いた。

















闇浩二「・・・・・・僕は消え・・・・・・・・・な・・・・・・・い・・・・・よww・・・・・・ww」













闇浩二「・・・・・・だって・・・・・・・・僕は・・・・・・・・・・・」













闇浩二「消える事の無い
君自身なんだからさあww」














闇浩二は消えた



浩二は振り向かなかった。



振り向く事無く、前だけ見つめるその眼には・・・・・・、









強い、強い、決意の光が・・・・・・・・・・・・・・・・。







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浩二「・・・っ? ここは・・・?」

浩二が眼を覚ますと、そこは狭く、埃っぽい部屋の中・・・・・・・

浩二「・・・戻って・・・・・・これたのか・・・・・・w」





さて ファーラーの奴を捕まえに行くか・・・。










昔の自分を今の自分が攻撃するということは、 昔の自分が傷付くという事。


昔の自分が死ねば 今の僕も居なくなっている筈なのだ。







と・・・いうことは、今僕が生きてるのはアイツが生きてたか、そもそもタダの幻覚だったか・・・という事だが・・・。




例え生きてたにしろ、傷付け合えば自分の魂・・・命・・・そんなものがあればの話だが、、、それらは常人に比べて著しく死へのスピードが高まる・・・。






つまり・・・ベイルとしての力を得る為の代償は・・・・・・自分の寿命・・・。






僕達はともかく・・・・・・そのことを先に伝えなかったのはおかしい!



・・・先にその事を教えてくれれば・・・ザトシは置いてきたのに・・・!









待て・・・。



正男達の元に向かい、ファーラーを問い詰める前に。



本当に”アレ”が過去の僕なのか、簡単に「確認」出来る方法があるではないか。



”アレ”が過去の僕なら、1年前の僕も奴と同じダメージを受けている筈・・・・・・・。



・・・それはつまり・・・あの場所で「僕」が受けた傷は、今の僕にも少しは影響している筈だ・・・・・・。



分かりやすく言えば、奴がケガしてた場所が、今の僕にもケガの跡として残ってれば・・・・・・・・・・・・・。



アイツは、本当に僕の・・・一年前の現実に実在した僕だ・・・・・・。





浩二は少し緊張しながら、闇浩二に与えた傷の場所を思い出した。




・・・最後に与えた傷は腹部・・・ あの傷なら跡は一生残るだろう・・・・・・。



そして浩二は自分の腹部に無い筈の傷を探して・・・。



















浩二「・・・あれ?」

ピリピリとした空気に似合わないボケッとした声が狭い部屋に響く。

浩二「・・・無傷だ・・・」

・・・良かった・・・

・・・・・・でも・・・あれが一年前の自分じゃないって事は・・・幻覚か。





・・・・・・・・・それとも・・・・・・何だ?






扉の奥から聞きなれた声。


「おっ 浩二立ってるぞ!」

「何で分かるのよ?」

「声がした」

「エエ・・・俺、全然聞こえなかったぞwww」

「心の清い者だけに聞こえるんだよww」

「そもそも声がしたって理由になってないわよw」

「うるせえな 俺は兄貴だからトレイシーで分かんだよwwww」

「テレパシー・・・ね;;;」





・・・声がする。

僕の事は心配さえしてないみたいだ・・・w

全く・・・死ぬかもしれなかったってのに・・・・・・。




呑気な奴らだよ・・・w

浩二「はいはい もう何でもいいから行くよww あと・・・・・・ただいま



一同「おかえり~」




























彼等の隣でファーラーが、本当に嬉しそうな顔をして拍手していた。


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翌日 AM7:30 教会にて・・・

正男「ベイルになる方法だけじゃなくて、治療までしてくれてアリガトな!!!」



ファーラー「いえいえ、貴方達こそ・・・」



ザトシ「・・・?」



ファーラーは、”貴方達のお陰で面白い物が見られました、ありがとうございました”と、言おうとしたが止めておいた。



ファーラー「・・・・・・お気をつけて」



クリス「ありがとうございました~ では・・・そろそろ行くわよ~」



浩二「行くって・・・何処に・・・?」



正男「ミサイル製造工場に」



ザトシ「メンドイ」



浩二「(*´д`)エェ・・・」



ファーラー「・・・ミサイル製造を止めたいのですか? それなら最も効率的な方法がございますが・・・」



全員「( ゚∀゚)ナニナニ」



ファーラー「・・・・・・核ミサイル製造に使われている機械・・・全て首都からの電力の輸送で成り立っているようです・・・つまり」



ファーラー「軍の・・・本拠地
         いわゆる・・・・・・あー・・・アジトを潰せば、国を改心させるという当初の目的も叶い、ミサイル製造阻止も叶います」



全員「( ゚∀゚)ナルホドー」



クリス「シルビアも、10日後・・・今から丁度4日後に本拠から第四師団第五師団が居なくなるって言ってたしねw」

正男「んじゃ 行って来る!!」

正男達は軽く別れを告げると、歩いて去っていった。



ファーラー「良い旅路をw」

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正男「ウォッホン!! 確認しよう!! それぞれが何属性なのか!」

浩二「おお」

正男「まず・・・・・・俺様は・・・・・・・炎だああああああああ」
浩二「風」
ザトシ「毒」
クリス「氷」




正男「・・・」


浩二「・・・」


ザトシ「・・・」


クリス「・・・」


正男「・・・・・・・・・す・・・進もうか(滝汗」

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AM9:30  正男が教会を出てから一時間後の事、  ~教会にて~

ファーラーはいつものように8時ジャストに朝食を食す。

8時30分に新聞を表に取りにいった。

9時には礼拝堂へ向かい、祈りを奉げる。

9時30分には、みなし子に配る為の食事を買いに、市へ向かおうとした。



いつもと同じ日常・・・・・・しかし・・・。










正男と会った時もそうだったように、非日常は突然現れる。









「あれぇ? ファーラーじゃ~ぁんw ”報告”以外で会うのは久しぶりだねぇ~?」




突然現れた声に、ファーラーは慣れた口調でたしなめるように静かに話した。



ファーラー「・・・シルビアですか・・・・・・何故ここに居るんですか? 確か軍の会議があった筈では?」



シルビア「だって~ 会議って堅苦しくってぇ・・・」

ファーラー「だってじゃありません! あなたの役目は観測でしょう? リーダーに怒られても知りませんよ・・・・・・」

シルビア「ゴメン ゴメン~  それより・・・・・・また”増やした”の~?」



ファーラー「ええ・・・ それが私の・・・仕事ですからね・・・w」






長編1 ~National Treson~ 前編終了


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