そう呟いていた時、勇治の耳にふと奇妙な音が聞こえてきた。
それは甲高い金属音。
例えるなら、刃と刃がぶつかり合うような音だ。
その方向を見てみると、ダイアンの兵士等が一人の男を囲んで集中攻撃を浴びせている。
アイツも反逆者なのか?無論只の反逆者ならば既に命を落としていてもおかしくないのだが・・・。
勇治「・・・兄さん、加勢に行こう」
真治「無論そのつもりだ、それにしても一人で二十人の攻撃を受け持ちこたえているとなると強者なのか?」
勇治「・・・多分。とにかく兵士等を無力化しよう・・・!」
勇治「・・・ところでさ・・・兄さんにとって無力化って何?」
真治「それはその・・・あれだ、ほら、気絶させる事だろ。人の命は金では買えねえし。命を奪う奴等ってのは最っ低な奴のする事だ」
勇治「・・・いや・・・前のステージで思いっきり殺してたよね、人事みたいに言ってるけど」
真治「何言ってる、あれはその後管理人によって訂正されたのだ」
勇治「そんな裏事情話せなんて言ってないよ! 本当は死んでいたって事でしょ?」
真治「ああ・・・ 確かに俺は人を殺した・・・ 何が悪い!」勇治「・・・っていうかガルムが去った瞬間かなりシリアスっぽさが落ちたよw さっきまで結構進み具合良かったじゃん!」
勇治「・・・死ねw」
真治「orz」
真治「・・・・・・くそっ・・・シリアスシリアス言ってたらシリウスを思い出してしまった・・・どうせ俺もうすぐシリウスに主人公の座取られるんだもんな・・・政権交代ってやつだ・・・」
勇治「無視かよ・・・」
???「何かお困りですか?」
真・勇「!!!」
???「私の名は・・・」
菩薩様1「神だァ!!!!!」
真・勇「また変なのが来た・・・」
勇治「(ここにきて敵キャラまでシリアスさを忘れたのか・・・)」
勇治「・・・つーかそんな事言ってる時点で神じゃないよね・・・うん。」
真治「おお・・・神よ・・・私の主人公の座が危ういのです・・・どうすれば良いのか教えてくだされ・・・」
勇治「(何か言ってるし・・・ あの胡散臭い神とやらに対して何裏事情言っちゃってるの!)」
菩薩様1「良いでしょう、その主人公の座を狙っている人とやらを排除してあげましょう」
勇治「(そこは普通『神の力』とかじゃ・・・ ってか排除って言ってる時点で神じゃないじゃん・・・)」
シ リ ウ ス
菩薩様1「では、さっそく死離兎守を取り除きに行ってきます」
勇治「(そんな名前じゃないのに・・・もう帰ってこなくていいよ)」
真治「・・・そろそろ本編に戻ろう、えっとどこのシーンだったっけ?」
菩薩様1「確か若い奴を助けに行くシーンじゃなかったっけ?」
勇治「何で知ってるのw」
菩薩様1「これぞ副管理にn・・・じゃなかった、紙の力だぁ!」
真治「今なんか言いかけてたような・・・ってか紙の力って何? トイレットペーパー?」
菩薩様?「な、何を言う、私は髪だぞ、そんな事を言って只で済むと思うなあ!」
勇治「結局全然シリアスにならないじゃん・・・」
真治「さっきから紙か髪か何か知らないけどさあ、本家に失礼だからとっとと正体現せ・・・」
副管理人?「だって変換押しても全然”神”って出てこなかったもの。」
勇治「もういいよ裏事情の話は!」
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単身で兵士と”戦っていた”男の年齢は真治より少し上ぐらいだろうか。
既に一方的な戦闘は終了し、そこに立っていたのは20人の兵士ではなく、一人の男。