???1「レニウムさん・・・緊急事態です・・・」




レニウム「・・・どうした? お前らしくないw 一応聞いておく、いいニュースか?」




???1「・・・・・・・・・・・・」




問いかけに対して男は黙っている。 珍しい事もあるものだ・・・。




いつも明るく振舞っているというのに。 彼の顔は放心状態に近かった。




できる事ならあまり聞きたくないが・・・ いずれ聞く事になるだろう。




ふとレニウムは彼の様子を窺うと同時に、つい数日前の会話を思い出す――

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???2「レニウム・・・ 流石に引きずり過ぎじゃねぇか? 毎日そんな放心状態じゃあ国王としての威厳が保てねぇよ・・・」

レニウム「・・・自らの相棒の命すら守れなかったような俺に何ができよう・・・」

???3「だとしても、テクノ様が死んだと仮定する事は無いでしょう。 せめて明るく振舞って頂きたいのですが?」

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余り思い出したくない会話を思い出してしまったよ畜生・・・。




ひょっとしたらあの時の俺の表情も目の前の彼と同じ表情だったのだろうか・・・?




そう思いかけた時、ようやく彼が口を開く。




???1「・・・・・・報告します・・・。実は――――」




中間ストーリー8


〜発覚〜



真治「へぇ、よく出来てるなぁw 凄い財力じゃんかw」

シリウス「とはいっても正確には元ダイアンが扱っていた発電所だ。 俺等はリフォームしただけに過ぎない」

勇治「発電所だったのか。 どうりでパイプのような物が目立つ訳だ・・・。」

シリウス「後はその元発電所から兵士達が生活できるように寮を増築、必要なかった資材は加工して再利用したぐらいだな」

真治「ほぅ・・・ そういえばギルギア知らねぇか?」

シリウス「ギルギア?」

真治「いや、俺等と一緒に居た奴だよ、緑色の服の」

シリウス「あぁ、あの男か、彼は若干重傷だったからなぁ・・・ 当分入院が必要かもしれん・・・」

勇治「あ、そういえば足をガルムとか言う人に抉られていたっけ・・・。」

シリウス「・・・おい、もうじき着くぜ」




エレベーターに乗り、2Fの廊下を歩いている内に、少し大きめのドアの前まで案内される。ドアの上には会議室と書かれたプレートがあった。




シリウスは2人が居る事を確認し、ドアを開けた――。




ガチャ・・・(ドアを開ける音




ジルガ「・・・ようやく来たか・・・。」

???10「長かったですなぁ・・・」

兵士「さぁ、こちらへ」

副管理人「深夜遅くに会議とか・・・」

アーク「そう言うな、大事な客人だぜ」

シリウス「出て行け糞部外者ww」


真治「ありゃあ、待たせてたのか、すまん」

勇治「同じく」

真治「つーかさ、一つ聞いていいか?」

シリウス「ん?」


真治「態々???の人に数字つける必要なくね? どうせ人員もそんなに居ないんだろう?」

ジ・シ「ギクッ」

ジルガ「そ、そんな訳、ないじゃないか・・・w 本当はもっと愉快な仲間達がいるんだけど、寝ちゃってるからね、うん。」

勇治「(あ、これ図星なのか・・w つーか愉快な仲間達って何w)」

???「確かまだ会ってませんでしたっけ? 一応言っておきます、レヴと申します」

真・勇「こちらこそ」

シリウス「さて、どっから話せば良いやら・・・」

真治「んじゃ俺等から質問させてもらおうかな、シリウス、あんたが謀反を起こした理由は何だ?」

シリウス「・・・前に会った時の説明じゃあ不十分過ぎるか、いいだろう、話しておこう」



勇治はまさかシリウスが直ぐに謀反の理由を話すとは思っていなかったのか、意外な表情を浮かべる。



しかし、施設の情報や謀反の理由まで話してくれるぐらいだ、余程信頼しているのだろうか?あるいは口が軽いだけなのか?



シリウス「話は10年以上前に遡る・・・。 各国の戦争の影響により、各地では食糧不足、環境汚染、住居不足――。 さまざまな問題が国を苦しめていた。 俺の家内は親が死に、兄は行方知らず――要するに俺だけが取り残されたような状態だった」

シリウス「この問題に対し、各国の国々は隣国との関係を修復していき、足りない資源は貰い、余った資源は渡す――。考えてみれば当たり前の行為なのだろうが、つい数年前まで戦争をしていた国と平和へ近づけようとする――。俺にとっちゃ不気味だったな」




真治「(・・・俺は今15歳だし・・・生まれた頃は特に戦争が勃発してる状況じゃあなかった気がするな・・・少なくとも15年以上前に戦争があったとみていいのか?)」

シリウス「こうして民達の混乱も次第に収まりだした頃、グレナル国はある制度を法令する。 それが組織"ダイアン"の始まりだ」

ジルガ「かつてグレナル国は前線の軍隊への資源の配給で手一杯だったが為に民達に十分な資源が配給できなかった。今後はそのような事も無いように民達をちゃんと保護する為の組織だったんだとよ」

勇治「・・・という事は、元はいい組織だったのか」

ジルガ「ああ。当時は悪用される事は無く、民達もダイアンの組織により不安が解消されたのだからな」

シリウス「話を続けるぞ、その法令が発表されて数日後、直ぐに俺はダイアンの元で働く事を決意した。仕事も無かったし、何よりも自らと同じ状況の人達を救いたい、といった馬鹿正直な意志が俺を動かしたんだろうな」

真治「成程な・・・俺だってそうするだろうて・・・」

勇治「兄さん馬鹿正直と言うより只の馬鹿じゃんw」

真治「ヤカマシイワァ!」

シリウス「その成果が認められてきたのか、最初は兵士だったが、気がついた時には第二師団の参謀になっていた・・・。しかし・・・」

勇治「しかし?」

シリウス「参謀に昇格してから数日後、グレナル国国王ジム=レルク氏が病死、そのまた数日後にレニウム=ジェイコス氏が次期国王になるという発表があった。 そっからだったかな、狂い始めたのは」

ジルガ「あぁ・・・。 民達がダイアンに強制雇用されたり、その割には給料は低資金。資本主義社会と違い、発展しているのは軍事力のみ。かつての民達の保護といった方針は蔑ろにされていった・・・。」

真治「軍事力? まさか・・・」





シリウス「あぁ、間違いない。 再び戦争が始まろうとしている。」

シリウス「そして上層部のこの戦争への動きに気付いた俺はかつての同僚ジルガと協力し、ダイアンを抜けた――。」

真治「そうだったのか・・・」

勇治「もはや疑う余地もなさそうだ・・・。」

シリウス「結局市民を守る為にダイアンに入った筈の兵士は見事に騙され、上部の圧力により、手遅れになったって訳だ。俺が話せるのはこのくらいだろうか・・・」

レヴ「悲しい話ですなぁ・・・ 自らの正義の行為が戦争を生む羽目になるとは・・・まぁ、まだ猶予はありますが」



真治「・・・入ろう」

勇治「ん?」

ジルガ「どしたw」



真治「マーズに入ろう。うん。」

勇治「兄さん・・・」



勇治「取り敢えず病院でその頭をどうにかして来てくれないかな?」

真治「ぇ」

ジルガ「デスヨネーw」

真治「勇治・・・流石にそれは無いだろ、シリウスは一応俺等を信頼してここまで情報を語ってくれたんだ、それに俺達じゃダイアンに太刀打ちはできねぇよ、ここは行動を共にするべきだぜ」

勇治「た、確かにそうだけど・・・ 嘘の可能性も否定は出来ないよ?」

真治「何でマイナスにもっていくんだよ、シリウスの話はちゃんと俺等の出来事と辻褄もあって・・・ん?」

勇治「どうしたの?」

真治「・・・・・・いや、何もねぇよ。で、どうするよ?」

勇治「・・・とはいえ兄さんの話も正論か・・・ すいません、シリウスさん、無茶な願いですが全戦全敗の僕達をマーズに入れてもらえるでしょうか・・・」

シリウス「・・・別に構わないが・・・ 本当に良いのか?もはや後戻りが不可になるぞ?」

真治「こんなカセットテープ持ってる時点でもはや不可だよ、悔いは無い」

シリウス「そうか・・・」



その返答に対してシリウスは納得したようだったが、やがて、何かを思い出したのか、ある手紙を差し出す。



シリウス「さっき戦った際、お前の傍にあった手紙だが―― おそらくお前宛だろう」



その小さな手紙を真治に差し出す。



真治「手紙だぁ?」

勇治「兄さんに手紙なんて珍しいね、年賀状も3通しか来ないのに」

真治「うっせーな・・・ どれどれ・・・?」


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   最近の情報じゃあお前、大量の謎を抱えているらしぃなw


 
  流石に可哀想だから、一つだけいい事を教えといてやろうw



  テメェの兄、毅縞 龍迅とかいう奴、もう死んでるぜ?



  何なら当時の事件を根に持つギルギアとかいう奴に聞いてみろやw

                                                                         by.ゼルヒア・ガルム


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その手紙を読み終わった途端、真治はシリウスに慌てて問いかける。



真治「おい、ギルギアは何処だ!」

シリウス「・・・どうした?突然?」

真治「何処なのかって聞いてるんだよ!」

ジルガ「・・・そこの廊下の最も奥の部屋だ・・・」



その言葉を聞くやいなや、真治は会議室を飛び出す。勇治もそれに続いた。


バタンッ(ドアを荒く開ける音


ギルギア「!!って何だ、真治さんですか、突然ど」

真治「答えろ・・・ 毅縞 龍迅って奴を知ってるか!?」

ギルギア「・・・な、何でそれを?」

真治「いいから答えろ!」





ギルギア「毅縞 龍迅さんは・・・ 7年前に死んでます」

勇治「なっ・・・!」

真治「・・・は?」

ギルギア「・・・7年前、ゼルヒア・ガルムという人物がジルフ国で7人程民達を虐殺した、という記録があります・・・。その被害者の中に・・・」

真治「な・・・何で教えてくれなかったんだよッ!!」

ギルギア「え、まさか、知り合いなんですか?」




きょとんとした様子をしていたギルギアには一体何が起こったのかは分からなかったのだろうが・・・。




二人が涙を浮かべている理由が分かるのにそう時間はかからなかった――。


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